糖尿病は、悪化した場合には合併症を引き起こすため、重篤な症状に陥ることもあります。糖尿病の治癒には長期間のケアが必要であり、糖尿病は患者の根気と忍耐を要する慢性疾患と言えるでしょう。そのため、糖尿病専門外来の看護師は、責任を持って患者のケアにあたる必要があります。糖尿病専門外来では、患者自身が行うインスリン注射の方法を始め食事療法や運動療法について看護師が中心となって指導します。入院治療であれば日常的に生活管理の細かい点に配慮できますが、糖尿病専門外来の場合には患者が通院して指導を受け院外では自分で食事や運動の管理をする場面が多いため、看護師は念入りに指導を行う必要があるのです。
食事療法や運動療法を効率的に実施するためには、管理栄養士や理学療法士との連携が欠かせません。ここで重要なことは、看護師が食事や運動など医療分野以外の領域についても知識を他の専門家と共有することです。管理栄養士や理学療法士がどのような指導を行うのかについて、看護師も把握しておく必要があります。このように、他職種のスタッフとチーム医療を実施する上で、看護師はチームをリードする立場にあるのです。
また、糖尿病治療に必要な指導だけでなく、患者のメンタルケアも欠かせません。慢性的な症状に悩まされ重篤化の不安に陥っている患者は、ストレスのはけ口がなくフラストレーションを抱えています。看護師はこうした患者の心理を理解して積極的に相談に乗り、少しでも患者の精神的負担を軽減する努力が必要です。チーム医療をリードし患者の精神的支えとなる看護師は、医療従事者としてやりがいを感じることができるでしょう。